「風邪をひきやすい……」
「疲れがなかなかとれない……」
このような不調を感じると「免疫力を高めたい……」と思われるでしょう。
免疫力は、体内に侵入したウイルスや細菌などから体を守る大切な防御機能です。生活習慣の影響を受けやすく、特に毎日の食事で摂る栄養素が大きく関わるといわれています。
この記事では、免疫力を高める食べ物や栄養素、体調管理に役立つ食べ方のコツをまとめました。日々の食事を工夫し、健康維持に役立てていきましょう。
監修者情報
岡本妃香里
薬剤師・薬機法管理者・コスメ薬機法管理者2014年に薬剤師の資格を取得後、2018年に医療・美容ライターとして独立。その後、薬機法管理者とコスメ薬機法管理者の資格も取得し、さまざまな企業・メディアの支援を行う。
免疫力を高める食べ物とは?

免疫力とは、体内に侵入したウイルスや細菌などの病原体を見つけて排除し、体を健康な状態に保とうとする防御機能を指します。
免疫の仕組みは大きく「自然免疫」と「獲得免疫」の2つに分けられます。
自然免疫は、生まれつき備わっている防御システムで、異物を見つけるとすぐに攻撃するのが特徴。一方、獲得免疫は一度侵入した病原体を記憶し、再び侵入した際に素早く対応する仕組みです。
こうした免疫機能と深く関わっているのが「腸内環境」です。
体内の免疫細胞の6割(※)は腸に集まっているといわれており、腸内細菌のバランスが免疫力維持には欠かせません。
※参考:公益社団法人日本生化学会 腸内代謝物質を介した免疫系の修飾
このような点から、免疫力を高める食べ物としては、腸内環境を整えたり免疫細胞の働きを支えたりする栄養素を含む食品が有効とされます。
免疫力が低下すると起こりやすい体の不調

免疫力が低下すると、体を守る防御機能が弱まり、さまざまな不調が起こりやすくなります。
たとえば「風邪やインフルエンザなどの感染症にかかりやすい」「一度体調を崩すと回復にも時間がかかる」などです。
また、免疫機能が十分に働かない状態が続くと「疲れが抜けにくい」「だるさが続く」といった症状を感じることもあるでしょう。
このような状態を予防するには、栄養バランスのよい食事や十分な睡眠、適度な運動を意識すると、免疫機能を支える体づくりにつながります。
日常生活の中で体調の変化に気づいたときは、生活習慣を振り返り、無理のない範囲で改善していくことが健康維持のポイントといえるでしょう。
免疫力を高める食べ物と栄養素

免疫力を維持するには、免疫機能を支える栄養素をバランスよく摂ることが大切です。
ここでは、免疫力をサポートする代表的な栄養素と、それらを多く含む食べ物を紹介します。
- たんぱく質
- 発酵食品
- 水溶性食物繊維
- オメガ3系脂肪酸
- 乳酸菌
- オリゴ糖
- 抗酸化ビタミン・ミネラル
たんぱく質
たんぱく質は、筋肉や臓器、皮膚など体を構成する重要な栄養素であり、免疫細胞や抗体の材料にもなる成分です。
たんぱく質を含む食べ物には、主に以下の種類があります。
- 魚(サバ、鮭、イワシなど)
- 肉(鶏肉、豚肉、牛肉)
- 卵
- 豆腐・納豆などの大豆製品
- 牛乳・ヨーグルトなどの乳製品
注意点としては、肉類ばかりに偏った食事は、腸内で悪玉菌のエサになりやすい動物性たんぱく質を過剰に摂取してしまうことがあります。
そのため、魚、卵、大豆製品、乳製品などをバランスよく組み合わせて摂るとよいでしょう。
発酵食品
発酵食品は、腸内環境を整える食品として知られており、免疫力の維持にも関係します。
発酵食品に含まれる乳酸菌は、腸内で有機酸や短鎖脂肪酸の産生を促し、悪玉菌の増殖を抑える働きがあるとされています。
主な発酵食品
- ヨーグルト
- 納豆
- みそ
- キムチ
- ぬか漬け
- チーズ
特定の食品だけに偏るのではなく、さまざまな発酵食品を継続的に食事に取り入れてみましょう。
水溶性食物繊維
水溶性食物繊維は、ビフィズス菌や酪酸菌などの善玉菌のエサになり、腸内フローラのバランスを整える栄養素です。
善玉菌が増えると短鎖脂肪酸がつくられやすくなり、腸内環境の改善や免疫機能の維持に役立つと考えられています。
主な水溶性食物繊維を含む食べ物
- 海藻類(もずく、めかぶ、ひじき、わかめ)
- 野菜類(ごぼう、オクラ、ブロッコリー、大根、春菊)
- 果物(キウイ、りんご、いちご、バナナ、もも)
- その他(なめこ、納豆、大麦)
厚生労働省によると、食物繊維の摂取量は、成人では1日あたり男性20g以上、女性18g以上が目標とされています。日々の食事で意識して取り入れてみましょう。
参考:厚生労働省|健康日本21アクション支援システム ~健康づくりサポートネット~
オメガ3系脂肪酸
オメガ3系脂肪酸は、青魚や植物油に多く含まれる不飽和脂肪酸の一種で、体内で合成できないため食事から摂取する必要がある栄養素です。
オメガ3系脂肪酸を含む主な食べ物
- 青魚(サバ、イワシ、サンマ、マグロなど)
- 魚介類(サーモン、ブリなど)
- 植物油(えごま油、亜麻仁油)
- ナッツ類(くるみ)
ある臨床試験では、50歳以上の男女約2万5千人を対象に約5年間追跡した結果、オメガ3脂肪酸を摂取したグループでは、自己免疫疾患の発症率が約15%低い傾向が確認されました。
このように、オメガ3系脂肪酸は免疫機能のバランスに関わる栄養素として注目されています。日常の食事に、青魚や植物性油を積極的に取り入れるとよいでしょう。
乳酸菌
乳酸菌は、腸に到達すると免疫細胞を刺激し、IgA抗体の産生を促すなど、腸管免疫の働きに関わると考えられています。
乳酸菌を多く含む食べ物
- ヨーグルト
- チーズ
- 味噌
- 醤油
- キムチ
- ぬか漬け
- ザワークラウト
ある研究では、乳酸菌の一種である乳酸桿菌(L.カゼイ)を含む乳酸菌飲料を被験者に16週間摂取してもらったところ、感染症の発症が抑制されたと報告されました。
参考:一般社団法人 全国発酵乳乳酸菌飲料協会 発酵乳乳酸菌飲料公正取引協議会
乳酸菌は腸内に長く定着しにくいため、食品から継続して摂取する必要があります。
オリゴ糖
オリゴ糖は、腸内の善玉菌のエサとなる糖類の一種で「プレバイオティクス」と呼ばれる成分です。ビフィズス菌などの善玉菌に利用されることで腸内環境を整え、健康維持に役立つと考えられています。
オリゴ糖を多く含む食べ物
- バナナ
- 玉ねぎ
- ごぼう
- ライ麦
- にんにく
- はちみつ
研究では、フラクトオリゴ糖(FOS)を摂取すると、腸内で分泌されるIgA抗体の量が増加することが確認されています。IgAは粘膜免疫に関わる抗体で、ウイルスや細菌の侵入を防ぐ働きを持つ重要な免疫物質です。
参考:日本大学生物資源科学部 プロバイオティクスやプレバイオティクスによる免疫調節作用に関する研究
オリゴ糖を食事に取り入れるには、バナナスムージーにしたり、スープや炒め物ににんにくや玉ねぎを使うなど、工夫するとよいでしょう。
抗酸化ビタミン・ミネラル
ビタミンCやビタミンE、亜鉛、セレンなどの抗酸化ビタミン・ミネラルは、免疫システムの維持に重要な栄養素です。
これらの栄養素は、体内で発生する活性酸素による酸化ストレスを抑え、免疫細胞の働きをサポートすると考えられています。
抗酸化ビタミン・ミネラルを多く含む食べ物
- ブロッコリー
- 赤パプリカ
- キウイ
- 柑橘類(みかん・オレンジ)
- ナッツ類
研究では、ビタミンEやビタミンCには抗炎症作用があり、免疫反応のバランスを整える可能性が示されています。
また、亜鉛やセレンなどのミネラルは、免疫細胞の増殖や働きに関与し、感染防御に関わる重要な役割を担います。
免疫機能を健やかに保つためには、野菜や果物、魚、ナッツなどをバランスよく取り入れましょう。
参考:公立大学法人 神奈川県立保健福祉大学 免疫システム維持に 役立つ栄養・食事
免疫力を高める食べ方のコツ

免疫力を高めるには、食べるタイミングや組み合わせも意識しましょう。
ここでは、今日から取り入れやすい食べ方のコツを紹介します。
- 朝食を必ず食べる
- 発酵食品を多めに摂取する
- もち麦ご飯を習慣化する
- みそ汁は具だくさんにする
朝食を必ず食べる
朝食は、体内時計を整え、自律神経を活動モードへ切り替えるきっかけになります。
朝に食べることで胃腸が刺激され、排便のリズムが整いやすくなる点もメリットです。
ただ、食欲がない場合は無理して食べる必要はありません。バナナやヨーグルト、みそ汁など、食べやすいものから始めてみると続けやすいでしょう。
発酵食品を多めに摂取する
発酵食品は、乳酸菌や麹菌などの微生物を含み、腸内環境を整えるのに役立つ食品です。
納豆、ヨーグルト、みそ、ぬか漬けなどを日替わりで取り入れるとよいでしょう。
毎日少しずつでも摂ると、腸内フローラを整える習慣につながります。
もち麦ご飯を習慣化する
もち麦には、水溶性食物繊維が豊富に含まれており、善玉菌のエサになって腸内環境を整えるのに役立つとされています。その食物繊維の含有量は、白米の約20倍とされており、さらに食後の血糖値上昇を緩やかにするともいわれています。
参考:医療法人社団 大誠会
腸内環境を整えるには、主食から無理なく食物繊維を補う工夫も有効でしょう。
みそ汁は具だくさんにする
みそ汁は、発酵食品であるみそに加えて、野菜や海藻、きのこ類などを一度に取り入れやすいメニューです。
わかめやなめこ、ごぼう、大根、白菜、ほうれん草などを加えることで、水溶性食物繊維やビタミン、ミネラルを補いやすくなります。
さらに、豆腐や卵、豚肉などのたんぱく源を加えれば、栄養バランスも高まるでしょう。忙しい日でも取り入れやすく、免疫を意識した食事づくりに役立つ一品です。
食べ物以外で免疫力を高める生活習慣

免疫力を維持するには、日々の生活習慣も重要です。
ここでは、食事とあわせて意識したい生活習慣を紹介します。
- 適度に運動する
- 良質な睡眠をとる
適度に運動する
適度な運動習慣は、免疫機能を高める手段として有効です。
ある研究によると、ウォーキングや軽いランニングなどの運動を継続して行う人は、運動習慣の少ない人に比べて風邪などの上気道感染症にかかるリスクが低い傾向があると分かりました。
また、軽い運動は唾液中のIgAなどの免疫物質を増やし、体の防御機能をサポートする可能性も示されています。
免疫力を保つには、毎日の生活の中で無理のない運動を続けるとよいでしょう。
参考:免疫navi 運動と免疫
良質な睡眠をとる
睡眠の質は、免疫機能と深く関わっています。
ある研究では、睡眠効率(睡眠時間や休息感などを含めた睡眠の質)が高い人ほど、風邪の発症率が低い傾向があることが報告されました。
また、人の体には24時間のリズムを持つ体内時計があり、免疫や代謝、ホルモン分泌などの働きにも影響を与えています。夜更かしや休日の寝だめなどで生活リズムが乱れると、この体内時計が崩れてしまい、疲労感につながることがあるでしょう。
また、寝る前のスマートフォンやパソコンの使用を控える、寝る直前のカフェインを避けるなど、睡眠環境の意識も大切です。
必要な栄養素の効率的な摂取方法
水溶性食物繊維や発酵食品、乳酸菌などを日常の食事からバランスよく摂取するのが、腸内環境を整えるポイントです。
しかし、これらの栄養素を毎日の食事だけで十分に摂り続けるのは容易ではありません。
そこで近年は、必要な栄養素を効率的に補う方法としてサプリメントを活用する人も増えています。
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健康的な生活習慣やバランスのよい食事とあわせて、こうした成分を活用することも体調管理の一つの方法といえるでしょう。
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まとめ:栄養素を摂取できる食べ物を毎日の食事に取り入れよう

ハツラツとした毎日をキープするには、たんぱく質や食物繊維、発酵食品、オメガ3系脂肪酸など、多彩な栄養素をバランスよく摂ることが大切です。
特に、私たちの健やかさを支える「内側の環境」は日々の食事と深く関わっています。善玉菌をサポートする食材や食物繊維を意識して取り入れ、土台から整えていきましょう。
日々の食事と生活習慣を見直し、環境の変化に負けない「体調管理」を続けてみてください。
健康管理を意識し始めた方へ
年齢とともに、健康への関心が高まる方も少なくありません。
日々の生活習慣を見直すことが大切だと言われています。
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