脳梗塞のリハビリは「段階に応じた適切な対応」と「生活習慣の見直し」を同時に行うのが、回復と再発予防の鍵です。
とはいえ「どの段階から始めるの?」「退院後はどんなケアをすればよいのか?」と不安に感じる方は多いでしょう。
この記事では、脳梗塞リハビリの3つの段階とそれぞれの目的、自宅でできる具体的なリハビリ方法に加え、再発を防ぐ生活習慣や食事のポイントまで解説します。
監修者情報
岡本妃香里
薬剤師・薬機法管理者・コスメ薬機法管理者2014年に薬剤師の資格を取得後、2018年に医療・美容ライターとして独立。その後、薬機法管理者とコスメ薬機法管理者の資格も取得し、さまざまな企業・メディアの支援を行う。
脳梗塞のリハビリが回復や再発防止に重要な理由

脳梗塞のリハビリは「身体機能の回復を可能な限り目指すこと」と「これから先の再発を防ぐこと」の両方に関わる重要なケアです。
まず、リハビリの重要性についてみていきましょう。
脳梗塞のリハビリはなぜ重要?
脳梗塞のリハビリが重要なのは、主に以下を目指すためです。
- 後遺症の改善
- 身体機能の回復
- 日常生活の自立
脳梗塞は、脳の血管が詰まることで血流が途絶え、脳細胞がダメージを受ける病気です。
障害を受けた部位によって症状は異なりますが、発症後には以下のような後遺症が残ることがあるといわれています。
- 手足の麻痺
- 言語障害
- 歩行障害
- 嚥下障害
このような後遺症がある場合「立つ・歩く・食べる・話す」といった、これまで自然にできていたことが難しくなります。
そのため、発症後はできるだけ早い段階から、その人の状態に合わせたリハビリを始めるのが大切です。
脳梗塞のリハビリをしないとどうなる?
脳梗塞のリハビリを行わないと、麻痺や障害が固定化しやすくなり、回復の可能性を狭めてしまうおそれがあります。
たとえば、以下のような状態を招く可能性があります。
- 麻痺が固定化する
- 関節が固まる
- 筋力や体力が低下する
- 歩行や食事、着替えなどの日常動作が難しくなる
- 自宅復帰や社会復帰が遠のく
麻痺がある手足を動かさないままでいると、筋力が落ちるだけでなく、関節が固まって可動域が狭くなることがあります。
また、寝ている時間が長くなると体力そのものが低下し、起き上がる、座る、立つといった基本的な動作さえ負担になってしまうでしょう。
このような状況を防ぐためにも、医師や理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などの専門職と連携しながらリハビリを進めるのが大切です。
脳梗塞のリハビリは3段階|時期別のアプローチ方法

脳梗塞のリハビリは、どの時期に何を目的として行うかがとても重要です。
一般的には、以下の3段階に分かれ、それぞれ重視すべき内容が異なります。
- 急性期
- 回復期
- 生活期
急性期リハビリ|発症〜数週間
急性期のリハビリは、発症直後から数週間にかけて行われるリハビリで、主な目的は身体機能の低下を防ぐことです。
脳梗塞の直後は安静が必要な場面もありますが、長く動かない状態が続くと、筋力が急速に低下しかねません。
参照:廃用症候群の予後予測 – CiNii Research
そのため急性期では、医師やリハビリ専門職の判断のもと、安全に配慮しながら少しずつ身体を動かしていきます。
具体的には、状態に応じて以下のようなリハビリが行われます。
- ベッド上での関節運動やストレッチ
- 寝返り・起き上がり・座る練習
- 立ち上がりや離床訓練
- 嚥下機能に問題がある場合の摂食・嚥下訓練
これらはすべて、今ある機能を維持し、回復期につなげるための大切な土台づくりがメインになります。
回復期リハビリ|数週間〜6か月
回復期のリハビリは、脳梗塞の機能回復がもっとも期待しやすい時期に行うリハビリです。
一般的には発症後数週間から6か月ほどが目安で、適切な訓練を重ねるのが重要とされています。
参照:厚生労働省 脳卒中の回復期~維持期の医療提供体制構築に向けた考え方(案)
この期間の代表的なリハビリは、下記の通りです。
- 歩行訓練や筋力トレーニング
- 立ち座り、移乗などの基本動作訓練
- 食事、排泄、更衣などADL訓練
- 言語訓練や嚥下訓練
- 注意力や記憶力に配慮した高次脳機能への支援
急性期が「機能低下を防ぐ時期」だとすれば、回復期は「できることを増やす時期」といえるでしょう。
また、麻痺だけでなく「言葉が出にくい」「飲み込みにくい」「注意力が続かない」といった症状に対しても、それぞれに応じたリハビリが進められます。
生活期リハビリ|退院後
生活期のリハビリは、退院後の自宅や施設で続けていくリハビリです。
病院での集中的な訓練が終わったあとも、脳梗塞のリハビリは終わりではありません。
むしろ退院後こそ、回復した機能を維持し、再発を防ぎながら生活の質を高めるのが重要です。
生活期で意識したい内容には、以下のようなものがあります。
- 自宅でのストレッチや筋力維持の運動
- 歩行練習や外出機会の確保
- 転倒を防ぐための住環境の見直し
- 食事、睡眠、血圧管理など生活習慣の改善
- 家族の声かけや見守りによる継続支援
この時期は「再発しにくい生活をつくる」という視点が欠かせません。
再発リスクを防ぐためにも、適度な運動習慣や食生活への配慮など、毎日の小さな積み重ねが大きな差になるでしょう。
自宅でできる脳梗塞のリハビリ方法【運動編】

退院後のリハビリでは、自宅での継続が回復のカギを握ります。
ここでは、自宅で安全に取り組めるリハビリ方法を部位別に紹介します。
- 手や指の機能を回復させるリハビリ
- 足の機能を回復させるリハビリ
- 歩行機能を高めるトレーニング
手や指の機能を回復するリハビリ
手や指のリハビリは、食事や着替えなど日常生活の自立に直結する重要なトレーニングです。
細かい動きを繰り返すと、脳への刺激になり、機能回復を促す効果が期待できるでしょう。
自宅でできるリハビリとしては、以下のようなものがあります。
- 手をグー・パーと開閉する運動
- ボールやタオルを握るトレーニング
- 指一本ずつを動かす練習
- 洗濯ばさみやペットボトルのフタを使った訓練
ポイントは「ゆっくり・繰り返し訓練する」です。
うまく動かなくても問題ありません。繰り返し行うことで脳への刺激となり、徐々に動きやすくなる可能性があります。
足の機能を回復させるリハビリ
足のリハビリは、立つ・歩くといった基本動作を支える重要な要素です。
筋力や関節の動きを維持すると、転倒予防や自立した生活につながるでしょう。
自宅でできるリハビリには、以下のようなものがあります。
- 椅子に座った状態での足踏み運動
- かかとの上げ下げ(カーフレイズ)
- 膝の曲げ伸ばし運動
- 足首の曲げ伸ばし(底屈・背屈)
もし、ふらつきがある場合は、必ず椅子や手すりを使って行いましょう。
これらを継続することで、筋力維持と血流改善の両方に効果が期待できます。
歩行機能を高めるトレーニング
歩行トレーニングは、生活の自由度を高めるうえで非常に重要です。
歩く力が回復すると、外出や社会参加の機会も増え、生活の質向上につながるでしょう。
自宅でできる歩行トレーニングには、以下のような方法があります。
- 手すりや壁を使った歩行練習
- その場での足踏み運動
- バランスを意識した立位練習
- 短い距離を繰り返し歩くトレーニング
無理に歩こうとすると転倒リスクがあるため、安全を確保したうえで段階的に進めるのが大切です。
また、歩行時は「姿勢」と「重心移動」を意識すると、より効果的なリハビリにつながるでしょう。
自宅でできる脳梗塞のリハビリ方法【生活習慣編】

脳梗塞の再発を防ぐには「血流を改善する生活習慣」も非常に重要です。
退院後は、主に以下の3つを見直し、無理なく続けられる習慣を身につけるとよいでしょう。
- 毎日の軽い運動で血流を改善する
- ストレスを溜めない生活を意識する
- 食生活を見直す
毎日の軽い運動で血流を改善する
軽い運動習慣は、血流を改善し、脳梗塞の再発を防ぐうえで非常に重要です。
実際に、日本人約7万人を対象とした大規模研究では、身体活動量が多い人ほど脳卒中のリスクが低く、最大で約30%リスクが低下したと報告されました。
このことからも、日常的に体を動かす習慣が再発予防に有効であると考えられます。
参照:国立研究開発法人 国立がん研究センター 日本人における身体活動と脳卒中との関係
自宅で取り組みやすい運動としては、以下のようなものがあります。
- 1日10〜20分程度のウォーキング
- 室内での足踏みや軽い体操
- 椅子に座ったままできるストレッチ
無理のない範囲から始め、体調に合わせて少しずつ習慣化していきましょう。
ストレスを溜めない生活を意識する
ストレス管理は、血圧や血管の状態に影響する要素のひとつです。
特に、リハビリ中は「思うように回復しない……」「将来が不安……」といった心理的負担を感じやすい時期でもあります。
そのため、以下のように意識的にリラックスできる時間を作るとよいでしょう。
- 深呼吸や軽いストレッチ
- 好きな音楽や趣味の時間を持つ
- 家族や周囲の人と会話する
「少し気が楽になる時間」を日常に取り入れていくとよいでしょう。
食生活を見直す
食生活の見直しは、脳梗塞の再発予防に直結する重要なポイントです。
特に意識したいのは、血管に負担をかけない食事です。
- 塩分の摂りすぎ(高血圧の原因)
- 脂質の多い食事(動脈硬化の原因)
再発予防のためには、塩分は1日6g未満を目安にし、薄味を心がけましょう。
参照:厚生労働省 ナトリウム(食塩)とカリウムを測って健康に(ナトカリ手帳)
脳梗塞のリハビリでは再発を防ぐ食習慣が重要

脳梗塞は、血管の詰まりによって起こるため、再発予防には食生活の見直しが欠かせません。
具体的には、以下の食習慣を意識してみましょう。
血管に負担がかかる食事を控える
再発予防のためには、まず血管に負担をかける食事を減らすのが大切です。
特に注意したいのは、塩分・脂質・糖分の摂りすぎです。
- 塩分の多い食事(高血圧の原因になりやすい)
- 脂質の多い食事(動脈硬化を進めやすい)
- 甘い飲み物やお菓子(血糖コントロールを乱しやすい)
加工食品やインスタント食品、揚げ物、味の濃い惣菜が続くと、知らないうちに血管へ負担をかけてしまいます。
まずは薄味を意識し「揚げる」より「蒸す・煮る・茹でる」を増やすことから始めましょう。
良質なタンパク質を積極的に摂取する
脳梗塞後は、活動量の低下や食欲低下により、筋力や体力が落ちやすくなります。そのため、良質なタンパク質をしっかり摂取するとよいでしょう。
取り入れやすい食材には、以下のようなものがあります。
- 青魚
- 脂質の少ない鶏むね肉やささみ
- 豆腐、納豆などの大豆製品
特に青魚や大豆製品は、タンパク質を補えるだけでなく、栄養バランスを意識した食事にもつながります。
肉だけに偏らず、魚や大豆製品もバランスよく取り入れましょう。
抗酸化作用を持つ栄養素を含む食品を取り入れる
血管の健康を守るには、酸化ストレスを抑える食事も意識したいところです。
抗酸化作用を持つ栄養素を含む食品は、若々しさを保ち、いきいきとした毎日を支える食習慣づくりに役立つでしょう。
意識して取り入れたい食品は、以下の通りです。
- 野菜・果物(抗酸化作用で血管を守る)
- 青魚(血液を流れやすくする働きが期待できる)
- 大豆製品(良質なタンパク質を補いやすい)
このように、脳梗塞後の食事では「控えるもの」と「積極的に摂るもの」の両方を意識するのが大事です。
血管ケアにつながる具体的な食材や栄養については、以下の記事で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
脳梗塞のリハビリと同時に大切な「血管ケア」

脳梗塞の再発を防ぐには、リハビリだけでなく「血管ケア」を同時に行うのが重要です。
脳梗塞は血管の詰まりによって起こるため、血管の状態を整えなければ根本的な再発予防にはつながりません。
そのため、以下の3つをバランスよく取り組むことが大切です。
- 身体機能の回復・維持→リハビリ
- 血圧・血糖・体重の管理→生活習慣の改善
- 血流改善・動脈硬化の予防→血管ケア
リハビリによって体を動かすことは血流の改善につながりますが、それだけでは十分とはいえません。
食事や生活習慣が乱れていると、血管への負担が続き、再発リスクが高まる可能性があります。
血管ケアを意識した生活も取り入れていくと、リハビリの効果も高まり、より回復しやすい状態が期待できるでしょう。
健やかな毎日に向けた血管ケアに必要な栄養を補う方法

健やかな毎日のためには、バランスの良い食生活が基本です。しかし、実際には日々の食事だけで必要な栄養素を十分に補うのは難しいときもあるでしょう。
特に、若々しさや元気を支える成分は、意識しないと不足しやすい傾向があります。
そこで、食事とあわせていきいきとした毎日のリズムを支えるサプリメントを活用する方法も一つの選択肢です。
中でも注目されているのが、納豆由来の発酵成分です。納豆には、古くから日本の健康を支えてきた「めぐりのリズム」を整える力があることが知られています。
この働きに着目して開発されたのが、ナットウ菌由来の発酵成分(NKCP)です。
NKCPは、従来の納豆の有用成分を抽出・精製したもので、以下のような働きが示唆されています。
- 内側からの健やかな環境づくりを支える
- スムーズで前向きな毎日をバックアップする
- サラサラと流れるような毎日をサポートする
これらはすべて、私たちが元気に自分らしく過ごすために大切な「健やかなリズム」に関わるポイントです。
内側からのコンディションづくりは短期間ではなく、日々の積み重ねが欠かせません。
毎日のリハビリや食事改善を基本に、こうした成分を上手に取り入れ、いきいきとした毎日を維持する土台づくりに役立ててみてはいかがでしょうか。
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まとめ:リハビリ期を支える毎日の健やかな体づくりと栄養習慣

脳梗塞のリハビリは、後遺症の回復だけでなく再発予防まで含めて取り組むことが重要です。
急性期・回復期・生活期の段階に応じたリハビリを継続しながら、退院後は自宅での運動や生活習慣を見直しましょう。
リハビリ・生活習慣・日々の栄養補給をバランスよく続けることが、いきいきとした毎日の維持と、自分らしい生活の質の向上につながります。
健康管理を意識し始めた方へ
年齢とともに、健康への関心が高まる方も少なくありません。
日々の生活習慣を見直すことが大切だと言われています。
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